12. パンやお菓子の基本材料について 乳化剤、改良剤
乳化剤
本来交じり合わない水と油を牛乳のように均一に交じり合った状態を乳化といいます。その作用をする物質を乳化剤(界面活性剤)と呼びます。 乳化剤の種類を組み合わせることで様々な効果を得られます。例えばマヨネーズは、卵の黄身に含まれるレシチンの乳化作用で油がクリーム状になります。乳化剤は、グリセリン脂肪酸エステルがよく使われますが、天然のレシチンを抽出した物など色々あります。パッケージには、乳化剤として表示されています。その他に乳化油脂と呼ばれる蒸しケーキなどに使われる製品もあります。パンやお菓子に広く使われています。
乳化剤の役割とは、
- 生地の老化防止 老化—水と熱でαデンプンに変化したのが、冷えると徐々に元のβデンプンに戻ること
- 食感改善、ソフトになる。
- 起泡作用、気泡ができやすくなる。
- 機械耐性向上、生地が伸びやすくなる。
パンやご飯が、冷めると徐々に堅くなる、パサパサする、ボロボロするなど不味くなるのはデンプンの老化が影響しています。生デンプンはβデンプンと呼ばれますが、加熱膨潤すると結晶構造が崩れてαデンプンになります。 乳化剤はデンプンを構成するアミロースやアミロペクチンと複合体を作り、再結晶化(老化)を防止します。
改良剤
改良材は、水質調整剤と生地の改良剤が主に使われています。水の硬度は、パン作りに大きな作用があり軟水ではいいパンになりません。様々な地域で共通の品質のパンを作るためには、水質に合わせた改良材の使用が欠かせません。生地改良剤は、パンを膨らみを改善したり生地の強さを改善したりすることができます。パン工場では、改良剤の使用により安定して良い品質のパンを作っています。 手作りパンでは、材料や工程を工夫することであまり使われていませんが、自然由来の材料を使用することで改良材として明記しなくても使える製品も販売されています。
イーストフードの役割とは、
- 水の硬度を調整する 水質調整剤
- イーストに栄養を与えるイーストフード
- 生地の取り扱いを良くする生地調整剤
イーストフードの種類
a. 無機フード
臭素酸カリウム、 ヨウ素酸カリウム、ビタミンC等を主体として、酵素剤を含まない。
b. 有機フード
ブロテアーセ、アミラーゼ等の酵素を主体としたもの
c. 混合フード
無機フードに酵素が、配合されている。
以上で材料についての解説は、終了します。皆さんのパン作りやお菓子作りの最高になれば嬉しいです。他に知りたい材料や疑問点がありましたらメールにてお問い合わせください。