コロナウイルス 免疫 抗体 抗原 とは
コロナの深刻な拡大により日本全国で緊急事態宣言が、発動されています。それによって様々会社や職種で制限を受けています。私もパン教室は、昨年で活動を止めました。 目に見えないものへの恐怖と無症状でも他の人へ移す側になる可能性を考えると他に選択は、ありませんでした。
減少した感染者も拡大を繰り返しなかなか終わりが見えません、コロナ疲れからか感染する危険を無視する人や人一倍恐れる人など様々です。 国の対策や情報の遅れ、隠ぺい、ワクチン摂取も行政の能力によりいろいろ対策を考えてどんどん進められた地域とやり方を改善できずに中々進まない地域とで格差が広がっています。
私もコロナは怖いのですが、よく分かっていない面が多いのでコロナウイルスとワクチンについて再度基礎から調べてみましたのでまとめてみました。
ウイルスとは
とても小さく、だいたい細菌の50分の1程度の大きさで、コロナウイルスは、0.1µm (0.0001mm) 一般的な不織布の穴径が5µmなので通過してしまいます。ウイルスには細胞がないので、他の細胞に入り込んで生きていきます。ヒトの体にウイルスが侵入すると、ヒトの細胞の中に入って自分のコピーを作らせます。ウイルスが出芽してやがて細胞が破裂してたくさんのウイルスが飛び出し、また、ほかの細胞に入りこみます。このようにして、ウイルスは加速度的に増殖していきます。つまり、症状が進む速度が早いことになります。
細胞表面から出芽する新型コロナウイルス粒子を撮影 茶色: 細胞 緑: ウイルス
http://www.tokyo-eiken.go.jp/lb_virus/kansenshou/virus_gazou/sars-cov-2/
SARSコロナウイルス (SARS-CoV)とは
SARSコロナウイルスは、2002年11月に中国広東省での発症例を発端とし、2003年8月までに32か国おいて、死亡者774例を含む8,096例の発症例(致死率9.6%)がありました。高齢者や基礎疾患の存在が高致死率のリスク因子となっています。コロナウイルスは、電子顕微鏡で見たときにスパイクが太陽の“コロナ”と似ていることから名付けられています。SARS(Seevere Acute Respiratory Syndrome) “重症急性呼吸器症候群”は、ASIAでは、それほど感染が広がりませんでした。 しかし、SARS-CoV-2と言われる新型コロナウイルスは、感染力が強くてウイルスの増殖速度が速いために感染すると重症化しやすいのが特徴です。
http://www.tokyo-eiken.go.jp/lb_virus/kansenshou/virus_gazou/sars-cov-2/
https://www.mri.co.jp/knowledge/column/20200416.html
COVID-19とは
COVID-19とは、2019年に発生した新型コロナウイルス感染症 (coronavirus disease 2019) の略称になり感染症を表す言葉です。ウイルスそのものを表す言葉では、ありません。
新型コロナウィルスとは
最初は、武漢ウイルスやチャイナウイルスと言われていました。現在は、新型コロナウイルスやSARS-CoV-2と言われるウイルスです。コロナウイルスとは、一般的に風邪を引き起こす原因ウイルスの1つです。そのためコロナは、風邪と同じだと言う人もいますがインフルエンザもウイルスなので勘違いをしやすいです。 新型コロナウイルスの問題点は、一般的な風邪の症状に留まらず重症化してしまう事が大問題なのです。
コロナウィルスが、身体に入ると表面のトゲトゲ部分のスパイクタンパク質が人細胞のレセプター (ACE受容体) くっつきそこから細胞内に侵入して感染を引き起こします。そして増殖を繰り返し症状を悪化させていきます。このトゲトゲは、元々は、人のレセプターと形が違うためにウイルスを吸い込んでもくっつくことができませんでした。つまり感染しなかった。ところが、ウイルスが形状を合わせるように変異して人に感染するようになりました。
https://www.riken.jp/press/2021/20210218_2/
抗体とは
抗体は、抗体は免疫グロブリンというタンパク質で異物を生体内から除去する分子です。特定の異物にある抗原(目印)と言われる先端部分にくっついて人細胞のレセプターに異物が結合するのを防ぎます。 さらに血中の抗体は、異物にある抗原と結合すると貪食細胞であるマクロファージや好中球を活性化することで異物を除去します。
コロナウイルスの場合は、トゲトゲのスパイクタンパク質先端にくっつきます。くっつくためには、ウイルスのスパイクタンパク質に合わせた抗体が必要です。人には、どんな異物が入ってきてもそれに合わせた抗体を作る能力があります。しかし、ウイルスの増殖する速度が速いとウイルスに合わせた抗体が作られて異物を排除する前に異物が勝利してしまいます。
https://www.chugai-pharm.co.jp/ptn/bio/antibody/antibodyp05.html
細胞とは
人のからだは60兆個の細胞でできています。もともとは、一つの細胞が二つに分裂して、46回繰り返すと70兆を超える数になるそうです。ひとは、生まれてからも分裂を繰り返して60兆にもなります。細胞は、役割によって約270種類の細胞に分けられるといわれています。
1つの細胞は、さらに小さな独自の機能をもった構成物がたくさん集まっています。細胞の大きさは大小様々で非常に小さなものです。肉眼で見ることはできません。まあ、見えたら怖いですね.
細胞膜の内側には、主に細胞質と核の二つがあります。細胞質には、エネルギーの消費や変換を行い、細胞として機能する細胞内小器官が含まれています。核は、細胞の遺伝物質の染色体と、細胞の分裂や増殖を調節する核小体を含んでいます。形状もいろいろありますが、単純化すると下図のようになります。細胞膜は、物質の出入りを調整しています。細胞膜には受容体(レセプター)があり、他の細胞と識別します。受容体は、体内でできた物質や体内に取り込まれた物にも反応し、反応したものだけを細胞内へ出入りさせます。 例えば、インスリンと受容体が結合すると、血液中のブドウ糖が(グルコース)細胞内に取り込まれエネルギーに変えます。 その結果、血糖値が適切な値に保たれます。しかし、インスリンが不足するか過剰にブドウ糖が取り込まれると血糖値が上がり怖い糖尿病へとつながります。
感染とは
受容体の形状にウイルスの抗原形状が合えばウイルスを細胞に取り込み感染します。例えば受容体がジャンケンのパーの形状で抗原の受容体がチョキやグーでは、受容体と合体できません。しかし抗原がパーの形状ならしっかりと受容体と握手して合体できます。感染成功です。
この合体を防ぐ為に免疫機能が働きウイルスの抗原形状に合わせてバーの形状をした抗体を大量に作り出してウイルスの抗原と合体する事で細胞への感染を防ぎます。
免疫とは
免疫とは、体に細菌やウイルスなどの異物が入ってきた時に認識して排除する機能です。高温に弱い菌を体温を上げてやっつけたり、咳や痰で外に排出しようとするのも免疫の作用です。まさにはたらく細胞のおかげで24時間私たちの体は、守られています。
免疫には、生まれつき持っている自然免疫と一度戦った異物の情報を記憶して次に入ってきた時に働く獲得免疫があります。
血液の白血球には、顆粒球(好中球、好酸球、好塩基球)、単球、リンパ球などの細胞があり、それぞれ免疫機能において重要な働きをしています。
人が持っている免疫の力は、同じではなく一人一人皆違います。自分で免疫力が強いのか弱いのか、どんな免疫を持っているのかは調べればわかるのでしょうが普通に生活していると調べることもないのでよくわかっていない事が普通です。体力と免疫力に多少の関係はあるかもしれませんが、ほとんど関係ないと思います。 変に裏付けのない自信を持っている人が多くいるのも問題ですね。
自然免疫とは
もともと人に備わっている機能です。細菌、ウイルスなどの侵入した異物や老朽細胞を食べて消化する食細胞を中心に構成されています。食細胞は自分たちと異なる分子や構造を認識する受容体を持っています。
自然免疫にかかわる細胞
樹状細胞
免疫細胞の司令塔のような役割を担っています。白血球の中の免疫細胞のひとつで、血液によって運ばれ体の中のあらゆる場所にいます。 木の枝が四方に伸びたような形をしていて細胞の中に異物を取り込んで特徴を覚え、T細胞(Tリンパ球)に伝えて攻撃を指示します。他にも、これまで異物(抗原)に接したことのないT細胞(ナイーブT細胞)を活性化するという役割も担っています。
異物の処理・排除を促すタイプ
マクロファージ
マクロファージとは、免疫細胞の一つで直径が15~20µmの免疫細胞の一種で白血球に分類されます。体内にウィルスや細菌などが侵入すると食べて死滅させ、異物の抗原情報をヘルパーT細胞に伝えます。白血球には、リンパ球や顆粒球などの免疫細胞がありますがマクロファジーは約5%をしめます。また、体の新陳代謝の調整や傷の修復などもおこないます。
NK細胞 (ナチュラルキラー細胞)
体内をパトロールし、ウイルスに感染した細胞やがん細胞だけでなく、これまで出会ったことがなくても異常と認識した細胞を攻撃するリンパ球です。自然免疫の中で重要な役割をする細胞と考えられています。
好酸球
呼吸器や腸管などに存在している白血球の一つで細菌などの病原体や異物を処理する働きをします。特に寄生虫に感染した時に寄生虫を攻撃します。好酸球が増えすぎるとアトピーや臓器の損傷などを引き起こします。
好中球
白血球の50%以上を占めています。異物に向かい、取り込み、酵素の働きで食べた細胞を分解し殺菌します。
好塩基球
好酸球や好中球の移動を助け、寄生虫やマダニなどに対する免疫作用をしますが特定の抗原と出会うとヒスタミンを発生しアトピーやアレルギー反応を引き起こす原因細胞らしいのですがまだ詳しくわかっていません。
獲得免疫とは
感染した病原体を記憶し、再度侵入した時に排除できるようになる機能です。自然免疫に比べると反応するまではやや時間がかかりますが、さまざまな病原体に反応します。一度感染した病原体に対して耐性がつき、感染・発症しにくくなったり、軽くすんだりするのは獲得免疫の働きによるものです。
獲得免疫にかかわる細胞
B細胞
侵入した病原菌やウイルスなどの異物などに危険がないか判断し、危険と判断した時は、対抗する抗体物質を生産、分泌します。免疫の作用で異物が排除されると情報を記録してメモリーB細胞となり次の侵入に備えます。
メモリーB細胞
ヘルパーT細胞によって刺激されたB細胞の一部で、抗原の情報を記憶し次に感染した時にはより迅速に、抗原に適した抗体を大量に産生することができます。
形質細胞-抗体生産細胞
抗原の刺激によりB細胞から分かれてできる細胞です。抗体生産細胞とも言われ、抗体を大量に生産できます。
ヘルパーT細胞
サイトカインという物質を作りB細胞を活性化してB細胞とともに異物が危険か判断したり抗体の生産を助けます。攻撃の司令塔のような役割もします。
キラーT細胞
ヘルパーT細胞の指示でガン化した細胞やウイルスに感染した細胞など体にとって不要、危険な細胞を破壊し除去します。
制御T細胞
免疫の暴走を抑制して自己に対して攻撃しないようにします。ヘルパーT細胞の5%くらいを占め異物の処理が終わると停止を指示します。
はたらく免疫の図解
マスクについて
一般的な不織布マスクは、コロナウイルスの0.1µm (0.0001mm) より大きい穴径5µmなのでウィルスは、通過してしまいます。そのために、去年の初めの頃は、マスクは役に立たないので使わなくても良いなどの誤った情報が出ました。当時は、空気感染はしないというお医者さんもいましたが、今では、エアロゾル感染として飛沫が空気中を漂って感染すると言われています。マスクにより咳などの飛沫は大きいので外に漏れる量を減らす事ができます。
N95医療用マスクもウイルスより穴径は、大きいのですが静電気により吸着する方法が使われているのでウイルスも95%以上捕獲できます。(ただし、息が苦しい)
最近では、布マスクで中に特殊なナノファイバーフィルターを挟み込む事でウィルスを捕獲し、N95の2倍くらい呼吸がしやすいマスクが販売されています。
http://nanofa.jp/nano-fiber.html
https://kosugiori.thebase.in/items/43394701
マスクも重要ですが、帰宅後はシャワーに直行し体についたウイルスを洗い流すのが家に持ち込まないためにも必要ですね。
次回は、ワクチンについて書きます。