ミキシングステージとパンの種類 パン生地のこね具合

パンを作っていてどのくらい生地をこねれば良いのか迷ったことはありませんか? こね具合が、パンの性質を決めるので重要ですよ。ここをしっかり理解していないといいパンは、できません。パン生地は、グルテン結合をすることでガスや水蒸気を捕らえて膨らみます。ミキシングの状態によりその力が違うのでパンの膨らみが変わってきます。グルテン結合は、パン生地の材料を捏ねることと、寝かせる時間によってグルテン結合を発達させることができます。

ミキシングする機械をミキサーと言います。パン用ミキサーは、手でこねるときの生地を混ぜる、延ばす、叩く作用を機械でできるようにしたものです。

ミキシングステージ

パン生地の材料をこねるとバラバラだった材料が少しずつ混ざり合い、ベタベタだった生地が滑らかになっていくことは体験していると思います。専門的には、それを4〜6段階に分けています。

ピックアップステージ (Pick up)

材料が、混ざり合った状態

クリーンナップステージ (Clean up)

生地がひとかたまりになり手やボールにくっつかなくなります。

デベロップメントステージ (Development)

グルテンが発達して生地に弾力と伸びが生じます。

ファイナルステージ (Final)

生地が、薄く延びるが弾力を保っている食パンなどに適した状態。指で生地を広げると透けて見えるくらいよく伸びる

レッドダウンステージ (Letdown)

生地を引っ張り離しても戻る力がなくなっている。一般的なパンに適さない状態

ブレークダウンステージ (Breakdown)

こね過ぎ状態、生地が再びベタつきノリのようになる。生地が垂れ下がってしまう。パンに適さない生地となる

パンの種類とこね具合 (ミキシング)

パンの種類に合わせたミキシング状態は、パンの内層を粗くしたいときはミキシングを短く、パンの内装を細かくしたいときは、ミキシングを長くします。
*内層-パンを切った時の皮の部分を除く切断面の状態

デベロップメントステージ

 堅焼きパンなど粗い内層のパン

ファイナルステージ

 食パンやアンパンなどの菓子パン

フランスパンを同じ材料工程で作ってもファイナルステージまでミキシングしてしまうと、目の詰まった内層となってしまいます。イギリスパンのような粗い内層の食パンは、フランスパン同様にミキシングを短めにします。食パンやアンパンなどの菓子パンは、きめの細かい内層にするためにしっかりとミキシングをします。

ホームベーカリーを使う

ホームベーカリーと手作業を併用すると時短でパン作りが可能です。完全にホームベーカリー任せにするのでは無く仕上げを手ごねで行うことで本格的なパン作りが可能です。ホームベーカリーのミキサー部分のみを使います。
ホームベーカリーでは、フタが開けられるタイプなら生地がくっ付かなくなったら手でつまんで伸び具合を確認します。 開けられないタイプでしたら、堅焼きパンの場合は、ペタペタ叩く音がしてきたら取り出して手ごねで調整します。菓子パンの場合は、さらに回して生地が伸びるようになってきたら取り出して手捏ねで調整します。ホームベーカリーは、生地の温度が上がりやすいので夏場は、冷蔵庫で材料を冷やしてください。ほとんどのパン生地のこね上がり温度は、28℃前後が適切です。もちろん全て手で捏ねても問題ありません。

小麦粉は、ムシが湧いたりダニが入り込むので開封したら冷蔵庫で保管してください。小麦粉は、コメと同じように水分量が変るのでいつもと同じ小麦粉を使っても生地の硬さが変わる場合があります。