チョコレートってどれも同じ? 美味しいチョコは、なにが違う
バレンタインデーが近づいてきました。今回は、チョコレートについてどうやって作り、おいしいチョコレートは何が違うのか説明していきます。
チョコレートのできるまで
チョコレートは、ココアと同じくカカオ豆から作られます。チョコレートの品質は、品種、産地、製造工程に大きく左右されます。おいしいチョコレートほど産地や品種にこだわり良い材料で作られているので材料費は高くなります。
日本チョコレート・ココア教会資料
カカオ豆を焙炒して細かく砕いたものが、カカオニブと言われるチョコレートの原料です。それをすり潰す(磨砕)とドロドロのカカオマスができます。カカオマスからカカオバターを搾り取る(搾油)ことでココアになります。カカオ豆には、53~58%のカカオバターが含まれています。チョコレートは、さらに滑らかになるようにすり潰して他の材料を加えることでチョコレートになります。
チョコレートの違い
ずばり、カカオの分量です。日本では、公正競争規約によって下記のようにチョコレート生地がカカオ分の量により下記のように分類されています。チョコレート生地は、チョコレート製品を作る際にベースとして使われる物です。チョコレートの中で最も高い材料になります。したがって安いチョコレート製品では、準チョコレート生地が使われています。
チョコレート製品の分類
チョコレート製品には、チョコレート生地の使用量によって分類分けがされており製品パッケージに表示しなければなりません。 分類には、チョコレート、チョコレート菓子、準チョコレート及び準チョコレート菓子のいわゆるチョコレート製品とココアパウダー(ココア)及び調整ココアパウダー(調製ココア)の種類別名称があります。チョコレート生地及び準チョコレート生地の使用量などにより、次のように区別されています。
言い換えるとチョコレートとは、チョコレート生地だけ、もしくは、ナッツやフルーツなどチョコレート生地以外のものを40%未満含む製品。40%以上含む製品は、チョコレート菓子となります。
ヨーロッパの規格
チョコレートの本場ヨーロッパではどうでしょうか? EU指令(EU内の法律)によりEU内では、下記のように統一されていますが、独自の規格を加えている国もあります。
Cocoa and Chocolate Products Regulations 2003 (CCPR)
チョコレート
「カカオバター18%以上、無脂カカオ固形分14%以上を含む総カカオ固形分35%以上」の製品を指します。チョコレート製品に使われます。
クーベルチュール
この名前を耳にしたことのある人がいると思います。EU指令では「カカオバター31%以上、無脂カカオ固形分2.5%以上を含む総カカオ固形分35%以上」の製品を指します。主にコーティングに使われます。これは脂肪分が多く含まれていないと、コーティングの際に薄く表面を覆うことが出来なくなるためカカオバターを多く含むように調整してあります。
ミルクチョコレート
EU指令では「無脂カカオ固形分2.5%以上、粉乳14%以上、乳脂肪分3.5%以上、カカオバターと乳脂肪分の合計が25%以上、を含む総カカオ固形分25%以上」の製品を指します。チョコレートにミルク成分を合わせた製品で薄茶色のチョコレートになります。
ホワイトチョコレート
EU指令では「カカオバター20%以上、粉乳14%以上、乳脂肪分3.5%以上、の製品を指します。カカオの固形分が入っていません。つまり白い材料のみでできています。
カカオバター —- カカオマスから搾り取った脂肪分
無脂カカオ固形分 —- 搾り取った残りでココアに相当する
総カカオ固形分 —- カカオバター、無脂カカオ固形分、カカオマスなどの合計から水分を除いた値
皆さんも食べる時に、ちょっとパッケージの表示を見てもらえると新たな発見があると思いますよ。日本のチョコレートは、世界でも高品質な商品でスーパーで売られているような安い製品でも滑らかさは外国のスーパーで売られていた製品より優れていたと思います。今では、海外の安い商品も日本並みに滑らかになった商品が多いと感じています。健康によく様々な食品と合うチョコレートを楽しんでください。ただし食べ過ぎには、注意しましょう。