石窯を作ろう
石窯を作るぞ
パンを焼く天板が2枚入る大きめの石窯を自作したましたので、石窯、ピザ窯、パン窯の自作に興味のある方の参考になればと、その経験をブログに書くことにしました。自宅で天然酵母のパン教室を開くためにどうせなら石窯を使おうと思い、2018年に資料を集め始めてなんとなくプランが決まったのが2019年の秋、11月ごろから石窯を作り始めて積み上げは12月に終わりましたが、付属品の制作や他のDIYで中断していたので期間が長くなり2020年の夏に完成しました。中断が無ければ2ヶ月程度で完成したと思いますが、期間が長かった分色々調べながら作ったので途中で修正なども可能でした。構想から完成までのDIYの石窯製作ストーリーを、石窯の材料、石窯の作り方、石窯の使い方などをブログにアップしていきます。
最初は、情報集めから始めました。ネットで調べて見るとドーム型のキットが、海外から輸入可能なことや、結構手作りされている方が大勢いることが分かりました。最初は、キットでお手軽制作を考えたのですが、ちょっと高すぎるので、DIYにて手作りに挑戦することとしました。そこで、ネットの記事と本を色々参考にしましたが、学研の”ピザ窯・パン窯の作り方”が一番参考になったと思います。
石窯って? なにが良いの?
最近では、石窯をピザ屋さんでよく目にしますよね。大昔は、石を積んで作られたのですが、普通は作りやすい耐火煉瓦を積み上げて作られています。十分な人力さえあれば、大谷石など耐火性や蓄熱性の優れた石を使って組み上げた方が早く簡単に出来ます。私のように腰に問題のある人間には、とても重くて積み上げる事は出来ませんが、
石窯は、普通の電気やガスのオーブンと違い直接ヒーターや炎で焼くのではありません、レンガからの輻射熱によってピザやパンを焼き上げます。特に遠赤外線は、生地の内部に熱が浸透するので焼きあがりが、ふっくらしっとりとなります。今では、電気やガスのオーブンでも内部に石やレンガを貼って石窯オーブンとか遠赤外線オーブンとして販売されていますよね。今回私が、作ろうと思うのは、レンガを積み上げた窯です。
石窯といってもいろいろなタイプがあります。
一段でドーム型 ピザ屋さんで使われていますね。薪を燃やす所(火床)と製品を焼く所(焼き床)が同じ場所にあります。
利点: 熱が中央のドームに集まるので蓄熱しやすい
欠点: 焼きムラが出る。温度を一定にするのが難しい。作るのが難しい。
一段で平形の窯 DIYの基本タイプ、パン窯にも使われます。
利点: 構造が簡単なので作りやすい
欠点: 焼きムラが出る。温度を一定にするのが難しい。熱が逃げやすい
二段型 上の段が火床、下の段が焼き床と二段に分けたタイプで連続焼成が可能です。
火床は、薪などを燃やす場所です。焼き床は、パンなどを焼成する場所になります。
利点: 温度コントロールがしやすい。連続で焼ける。構造が簡単なので作りやすい
欠点: 熱が逃げやすい。窯が大きくなる。製作コストが高い
ドーム用の耐火レンガは、屋根のRに合わせた斜めにカットされた形の高価なレンガを使うので金額的に高くなります。代りに耐火セメントや角形のレンガを使うやり方もありますが制限があります。平形でしたら、ホームセンターで手に入る耐火煉瓦の平板とブロックで簡単に作ることも可能です。小型のものなら2、3日で可能です。皆さんも作る前には、どんな製品を焼くのかまず考えて、適したタイプを選びましょう。
1) 焼く製品を決める
2) 適した釜のサイズ
3) 窯のタイプを決める
4) 手に入る材料から窯のプランを考える
私は、パンを焼くのがメインなのでパンを焼きやすい二段窯にすることにしました。次に、窯のサイズ、材料の制約、作る場所、構造などから検討にしました。作りたいサイズや構造が、材料の制約でできなくて何度もネットや雑誌を調べてやり直したので結構時間がかかりました。ご自分で作られる場合は、材料の入手方法やサイズなどチエックしてくださいそれらの情報から作れる石窯を絞っていくと早く決められると思います。私の場合は、6取り天板のサイズが2枚入ることが必須なのでなかなか手に入る材料と合わせることが大変でした。
どうして、二段?
一段ですと火のそばの方が熱いので、焼きムラが起きないように製品の向きや位置をヘラで換える必要があります。ピザ屋さんでピザをクルクルとヘラで置き直してムラが出来ないようにするのを見たことがありませんか? パンを焼く場合は、ピザのように焼きむらを調整するためにパンを回転することはできません。ショックや冷えた空気に触れるとしぼんだり膨らまなくなる危険が大きいのです。ある程度火が通って形がしっかりするまで焼く必要があります。ピザ窯は、乾燥焼き、パン窯は、蓋をして湿気を残すように焼き上げます。その為にふっくらと焼きあげるようなパンは、二段窯が適しています。
次回は、構造など設計に入ります。